犬や猫のペットが死んだらどうしたらいい?
家族の一員として過ごしてきたペットにも、いつかはお別れの時が来るもの。なかなか考えたくないことではありますが、事前にペットが死んだらどうするか?について考えておくことは、家族やペットの為にもなる重要な時間です。
今回は大切なペットが亡くなったときに慌てないために、
ペットが死んだらやることについてわかりやすくご紹介します。
準備するもの
ペットが死んだときに用意すべきものは大きく4つです。
- 棺…遺体を安置する棺です。最近ではペットの葬儀業者が用意してくれることも多いですが、自分で用意する場合はAmazonや楽天で購入することが可能です。
- タオル・バスタオル…遺体をくるんだり、保冷剤などを包むのに使います。また、どうしても遺体から体液が出てしまうこともあるので、そういう場合にも使います。多めに用意しておきましょう。使っていない古いシーツや新聞紙でもOKです。
- ガーゼ…同じく体液が出てきたときに備えて準備します。
- ドライアイス・保冷剤…遺体の腐敗を防ぐために使用します。
死んだらすぐに体の形を整える
意外と認識されないのですが、ペットの葬儀屋に連絡をとったり、ペットに保冷剤を当てたりするより先に、まずはペットの足を折り曲げてあげてください。これが何よりも最優先のやるべきことになります。他のことは後回しでも取り返しがつきますが、ペットの遺体は死後硬直という現象によって数十分〜数時間ほどで筋肉が固まってしまい、足を折り曲げることができなくなります。こうなってしまうと棺に体が上手く入らなくなってしまうので、忘れないようにしましょう。後から無理に折り曲げたりすると遺体を傷つけてしまうケースが多いので注意です。
まず関節を外側に向けて伸ばすようにして足を引くと関節が緩むので、それから折り曲げると足を折りたたみやすいです。
また、ペットは死んだ直後、目や口が開いたままのことが多く、同じく死後すぐに硬直が始まりますので、そっと閉じてあげることをおすすめします。
遺体を綺麗にする
遺体は湿気に弱いため、タオルなどで優しく拭き取るようにして下さい。また、死後硬直で身体が固まった後数時間が経過すると今度は硬直が解けて全身の筋肉が緩みはじめます。
このときに身体から糞尿が出てしまったり、体液が出てしまうことがあるので、その場合は拭き取って遺体を清めるようにしましょう。
棺に入れて冷やす
用意した棺(専用の箱でも、ダンボール箱でも可)に毛布や生前使っていた毛布を敷いてペットを納めましょう。その後保冷剤やドライアイスなどで棺内の温度を冷やすようにしてください。また、葬儀までに遺体から体液が出てしまったりするのでティッシュなどを一緒に入れておくと良いでしょう。
棺に入れてもOKなもの
タオルや毛布の他にも、普段食べていたご飯やお花を入れてあげるのもOKです。遺体を華やかに飾ってあげることはペットが喜ぶだけでなく、自分の気持ちの整理にもなるかもしれません。
「ペットのお気に入りだったおもちゃやぬいぐるみは入れても大丈夫?」という質問はよくありますが、業者によっては金属やプラスチック類の火葬ができるかどうかが異なってきますので、事前に確認をするようにしましょう。
ペット葬儀業者に連絡。その前に…
ペットの葬儀には大きく分けて火葬と土葬があります。
土葬は自分で行える供養方法であるものの、私有地以外に遺体を埋めてしまうと違法になってしまう為注意が必要です。また、地中に埋めた遺体から異臭がしたり虫が湧いて近隣トラブルに発展するケースもあるため、今回は火葬について扱いたいと思います。
ペットの火葬方法は大きく分けて「合同火葬」と「個別火葬」があります。
「合同火葬」
他のペットと一緒にまとめて遺体を火葬する方法です。自治体に火葬を依頼する場合はこの方法が一般的です。低コストの方法ですが、基本的に立ち合いができないほか、遺骨を返却してもらえないのがデメリットです。
「個別火葬」
ペットごとに一匹ずつ火葬する方法です。合同火葬に比べて割高になりますが、立ち合いができるほか、遺骨を受け取れるメリットがあります。家族とペットのことを考えながら、後悔しない選択をしましょう。
葬儀の服装と持ち物について
いよいよペットと最後のお別れの儀式。服装には決まりはありませんので、喪服を着ていく人もいらっしゃいますが、基本的には私服で問題ありません。葬儀業者の方で服装の指定があるケースは今のところ報告されていないため、自由な服装で問題ないでしょう。
持ち物についてですが、人間の葬儀と同様、お花や、ペットにゆかりのあるグッズを持っていくと良いでしょう。特にお花は、火葬の前に棺に敷き詰めてあげることができるため、最後のお別れをするのにペットを綺麗に飾ってあげることができるのでおすすめです。自分のお家で育てていたお花を持参する家族も多くいらっしゃるようです。
お花の量はペットの大きさによって変わりますが、仏花の束が2〜3束が適量だと思います。葬儀業者によってはお花を売っているところもあるみたいです。
お骨の供養
個別火葬でペットを供養した場合、葬儀後に遺骨が返却されることが多いです。ペットの遺骨を受け取ってからどうすればいいか、方法は大きく3つあるので一つずつ見てみましょう。
- 納骨…葬儀業者に料金を払って、ペット霊園や納骨堂に遺骨を供養してもらう方法。ペット霊園や納骨堂の料金設定は施設によってかなり異なってきますので、あらかじめインターネットで比較してみると良いかもしれません。また、葬儀業者によってはプラン料金の中に納骨が含まれているケースもあるので、事前にチェックするように心がけましょう。
- 自宅供養…自宅に遺骨を置いて手元で供養する方法。自宅供養の方法としては、自宅の庭に遺骨を埋める方法や、ペット用の仏壇を用意する方法、故人の仏壇に骨壷を置いて供養してあげる方法などがあります。決められたルールがあるわけではないので、自分が納得する方法で供養してあげるようにしましょう。ただし、遺骨は湿気に弱く、カビなどが発生しやすいため、自宅内で供養する場合は骨壷内に乾燥剤を入れるなどの対策を取ることが重要になります。
- 散骨…ペットの遺骨を粉状にして、庭や海になどに撒いて供養する方法。遺骨を粉状にするのは葬儀業者の方で承ってくれる場合もあるため、事前に相談してみると良いでしょう。
メモリアルグッズを選ぶ
最近では可愛いデザインのペット用仏壇や骨壷だけでなく、クリスタルにレーザーでペットの写真を掘ってあるものや、フォトスタンド、ペットの毛を持ち歩くことができるペンダントや指輪などかなりの種類のグッズが発売されています。
ペットの死後もペットを身近に感じていたい場合はおすすめの供養方法だと言えます。
葬儀当日、式場の待合室でもメモリアルグッズを購入できるケースが多いですが、最近では楽天やAmazon、実店舗でもメモリアルグッズの購入は可能なため、慌ててその場で全て選ぶ必要はないかもしれません。
ただし、お骨やペットの毛をグッズに合わせる場合は、葬儀の式場でグッズを購入することで、綺麗に入れてもらうところまでお願いできるため非常におすすめです。
葬儀業者の探し方
ペット葬儀業者はインターネットで簡単に探すことができます。地域やサービス内容、金額などを見比べながら慎重に選ぶのがいいでしょう。
ペットが高齢だったり、もしものことが予想される場合は、あらかじめ下見などをしておき、「ここならお願いできる」という業者を選んでおくと良いでしょう。いざペットが死んでしまうと気持ちがパニックになっている上にやることが多く、業者を1から選ぶ余裕がないケースが多いようです。
事前に「ペットが死んだらここに連絡する」と電話番号を控えておくのがベストでしょう。
不安や疑問点は遠慮せずに葬儀業者に相談
葬儀に持っていくものや、火葬の時にやっておきたいこと、プランに含まれているか不安なことがある場合は遠慮なく葬儀業者に問い合わせるようにしましょう。ブリーダーなどでない限り、ペットの死を何度も経験して葬儀に慣れている人はほとんどいません。多くの人はペットの死については初心者ですし、葬儀業者もそのことはよくわかっています。
葬儀に伴ってやりたいことがあったり、一緒に火葬してもらえるか相談したい場合などは迷わず葬儀業者にあらかじめ相談しておくようにして、当日は心配なことをできるだけ減らすことで、しっかりとペットとのお別れに専念できるようにしておきましょう。
犬の場合は自治体に届け出をしなければならない
犬が死んでしまった場合は、狂犬病予防法に基づいて、死亡届の提出が義務付けられています。出さなかった場合、罰金刑として最大20万円の支払いを命じられることもあるので、忘れずに死後30日以内に各自治体や役所に死亡届を提出しましょう。
ペット保険会社への連絡
ペット保険に加入していた場合は保険業者に連絡をとりましょう。保険は基本的に保険会社がペットの死亡を確認できた日に解約となります。場合によっては死亡診断書や葬儀の領収書などの証明書を求められるケースがあるので注意が必要です。事前に確認しておくようにしましょう。
いかがでしたでしょうか?
今回は「犬や猫のペットが死んだら最優先ですべきこと」についてお伝えしました。
ペットの死は避けられるものではなく、残念ながらいつか必ず訪れます。
気持ちの整理をつけるためにも葬儀は重要な儀式です。大切なペットを納得のいく形で送り出せるように後悔のない葬儀を行いましょう。